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2008 06,04 21:11 |
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昨日、ブラジルの事を少し書いたので、今日はフィリピンの事を書こう。
まだこの仕事を始める前、離婚したばかりの頃(30前くらいかなあ・・・?)、私は3カ月だけだが、フィリピンパブの日本人スタッフとして、パートで働いた事がある。 自給の良さに魅かれて、行ったのだ。 そこで働くフィリピン人の彼女たちは非常に明るく、快活だった。 彼女たちの半分は「騙されて連れてこられた!」と思い、やむなく働いている・・・という子もいたが、残りの半分は「日本に来ればお金になる」事を知っているので、かなり頑張る。 こういう人は2回目以降の来日者だ。 大抵、何度も就労ビザで入ってくる彼女達は、それぞれの家庭に事情を抱えていた。 弟を大学にやりたい、子供を養うため、親が病気・・・。様々だ。 みな若く見えたが、 「あら、ひでみさんと同い年よ!でもお客さんには25って言ってあるの!」 と言って、カレンはケラケラ笑う。 カレンは国に子供を2人置いてきていた。 「母親に面倒を見てもらってるの。子供の為に稼いで、養うのよ。」 私は彼女が独身だとばかり思っていたから、非常に驚いた。 カレンは私のことを聞いてきたので、離婚した事、3人の子どもがいる事、だから「私も稼がないとね。」と打ち明けた。 カレンも「ひでみさん、独身かと思った!」なんて、流暢な日本語で言ってくれた。 でもそれで私達は、お互い分かり合い、共感しあえたのだと思う。 そう話しているそばで、カレンの携帯が鳴る。 私はこの時、昼間彼女たちの住まいに遊びに来ており、お昼ごはんをごちそうになっていた所だ。 カレンは携帯を見るなり、顔をしかめる。どうやら嫌なお客らしい。 カレンは携帯を指差し、私に「この人嫌い。変な日本人!」と言った。 私が笑って見ていたら、カレンが携帯に出る。 「ラビューラビュー、すずきさん!会いたかった!電話うれしい!」 だって・・・。すごいよ。女優だな。 カレンは数分話して携帯を切った。 「私、この人に腕時計買わせたよ。」 「えーーー?!いくらの?」 「50万!」 「ひゃーーー!!!」 ひっくり返るかと思ったよ。 でもカレンはその腕時計を付けていない。 「カレン、時計は今どうしてるの?」 「ないよ。換金して、もうフィリピンに送金しちゃった!」 あっけらかんと笑って言うカレン。また私は二度びっくり! 「どうして?時計を付けていけばいいじゃない。」 そう言うと、カレンは教えてくれた。 「ひでみさん、フィリピンは日本とは違うよ。そんな物付けていったら、手首を切り落とされちゃうよ。時計やネックレスをしたら、それだけで狙われてしまう。犯罪者が多いのよ。でも、そういう連中はいちいち物の確認なんてしないから、手首を刎ねて、その手首を拾い上げてから、本物かどうか、確認するの。殺すことなんてなんとも思ってないんだから。だからネックレスなんてしてたら、首が飛ぶよ!」 「・・・・。」 「ひでみさん、もし貴女がそういう国に行く時は、何も付けないほうがいいよ。おしゃれもダメ。お金がないように見えるように、Tシャツとジーンズで行く事。分かった?」 私はコクコクと頷いた。 彼女達はそういう環境の中を生き抜いてきたのだ。 だからこそ、言葉は重く、私に響いた。 「ひでみさんも大変だね。でも幸せだよ。子供と暮らせて・・・羨ましい。フィリピンには仕事がないの。一緒に暮したくても暮せない。日本は何でもあって、幸せだよ。」 そうか・・・。そう思った。 当時の私はいくつも仕事を掛け持ち、寝る間も惜しんで仕事をしていたが。 そうか、私は幸せだったんだ・・・そう気付かせてくれたのだ。 豊かな日本で、周りばかり見ていたらきっと気付かなかったね。 彼女達にも、いつもこうして教えられたものだ。 あれから私は店長とのいざこざが原因で、店を辞めたが、この時も彼女達は泣いて別れを惜しんでくれた。 今頃、どうしているだろう。 本当に懐かしい、良い思い出なのだ。 PR |
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コメント |
最近、ついて無いなぁ~と思ったりする時も、笑ってしまいます。
幸せですよね。 この間の、橋村さんのブログ、俺も、大学生に対して妬みや、適わなさを感じていると思います。 グサッときました。 また、色んな問題が発生してきましたが、必ず打開してみせますから!! 何か、不安もあるけど、面白くなってきた感の方が多くあります。 来週は、誤解を残したままの名古屋に、自分の現時点での力を試しに行って来ます! 笑って見てて下さい! 【2008/06/0423:14】||奥山#553a5fe149[ 編集する? ]
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違うんですね、日本で働く外国人の方たちは。
つくづく自分たちはしあわせなのだと思いました。 橋村さんはいろんな経験を積まれてそれをちゃんと人生に生かされてるてる、だからよけい魅力的なんですよね。 このブログにいつも励まされます。 【2008/06/0502:26】||ぴんく#991ebd6a1f[ 編集する? ]
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奥山君 随分頼もしくなりましたね!苦境も楽しめる様になったんですね。
いまの奥山君なら大丈夫!自分に従って行ってくださいね!!! ぴんくさん そうなんです!貧しい国の方ほど貪欲に、一生懸命働きます。 私はいつも周りからたくさんのヒントをいただけてました。 だから苦しくても腐らずに済んだのだと思います。 私は本当にラッキーですね。そしていつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。 こうしたコメントもいつも励みになっています! 【2008/06/0521:30】||はしむら#555140c85b[ 編集する? ]
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幸せな時ほど、感覚が鈍磨してしまう気がします。
日本も最近、ナンダカンダ不幸な事件が相次いでいますけど、カレンさんの祖国程、過酷でもないのですよね(でも一人でも多くの人が不慮な事故・災害・事件に巻き込まれない世の中が理想です。そんな世の中になると良いのですが) 今日、つくづく経済的には四苦八苦の私だけど幸せだなって思いました。 一日の疲れを、少なくとも毎日シャワーで流せる事、お水が飲めること・・・。犯罪を犯さずお金を手に入れることが出来る事、酷い生活だけど自殺までは(今のところ)考えずに過ごせる事。 幸せな事って、じっくり自分を見つめたらいっぱいあるのですね。 大切な事を気付かせてくれてありがとうございました。 【2008/06/0615:11】||なめこちゃん#99d2a07bbb[ 編集する? ]
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幸せな人ほど、「幸せ」だと思ってないのです!
以前いらしたお客様で、「独身」「健康」「親が健在」「貯金がある」「時間がある」「若い」のに、「私には何にもない!」と言っていた方がいました。 こういう方に、なんて言えばいいんでしょうね・・・笑 当たり前すぎて、多くの方が麻痺していますね。 【2008/06/0623:00】||はしむら#555140c85b[ 編集する? ]
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